インドのごみ回収システムを提案する前田さん(右)と小坂君

全国のSGH、SGHアソシエイト指定校のうち84校が研究成果を披露する「SGH甲子園」(関西学院大学など主催)が3月19日、同大西宮上ケ原キャンパス(兵庫県西宮市)で開催された。

前田綾香さんと小坂慧君(ともに2年)は、日本のごみ回収車でインドの街を美化する仕組みを提案した。

 1年時の海外研修でインドを訪問したことが、研究のきっかけだ。「街中のすごいごみの量に驚きました」(前田さん)。インドでは、ごみは小さなトラックの 荷台に積んで回収する。そのため一度に運べる量は限られ、回収しきれない。状況を知り、街を美化する持続的で地域密着型の仕組みを考えた。

 日本で使われなくなった回収車をインドの業者に売る。ごみ拾いで生計を立てている人に運転免許取得費用を貸し付け、費用は免許取得後に回収車の運転手とし て働いて得た給与から返してもらう。また、花を植えて街中を美化する。「この仕組みならば、雇用と観光客の増加など、高い経済効果が見込める」と小坂君は 考える。

すでに国内のごみ回収業者と連絡を取り、回収車1台をインドに送るコストなどを見積もるなどして実現の道を探っている。