マナビ最前線 理系のマナビ2017

テーマ、分野を絞り、さまざまな大学の学部や学科、研究室を紹介する高校生新聞の人気コーナー。 今回は2017年最新の理系特集。興味を持った分野やキーワードをもとに、学部選びの参考にしよう。

将来はデータサイエンティストにも! 明治大学総合数理学部で、データ分析を学ぶ<PR>


データ分析の制度を高め、効率よい社会を目指す

 

浦野昌一准教授(総合数理学部 ネットワークデザイン学科 エネルギーネットワーク研究室)

浦野昌一准教授は、電力会社で18年間技術者として働いたうち、10年間、研究所に所属し、電力系統技術の開発研究に携わってきた。その実績を軸に、同学で教鞭をとって4年目となる。

浦野准教授が携わっていた電力系統とは、電力の生産から消費までを行う設備全般のことを指す。たとえば「スマートグリッド」という言葉を聞いたことはないだろうか? スマートグリッドとは、電力の流れを供給側・需要側の両方から制御することで、無駄な電力供給を減らすことができるというものだ。スマートグリッドの進展により、電力系統の生産~消費までの全体にどのような影響が出るかを解析するなどの研究を行っていたという。電力というテーマで、さまざまなデータを基に未来を予測してきたのだ。現在、エネルギーネットワーク研究室で学生たちは、数理科学を応用しながら、電力の需要などを予測するシミュレーション手法を学んでいる。

エネルギーの効率化で環境問題にも貢献

数理科学は、数学および数学的な学問の総称で、同研究室で特に重視しているのは統計学だ。「みなさんもアマゾンで買い物をすることはあるかもしれません。一度購入したり、検索をした後、自分の興味があることに近いオススメの商品が提示されることはありませんか?これはその一例。統計学を使って消費者の好みを割り出しているのです。私たちの研究室でも、同じような手法を活用し、研究をしています」。

また、電力の安定供給に必要な需要予測をシミュレーションする手法は、プログラミングによるデジタル計算だ。学生たちは毎回数式を解かなくても、データを入力するだけでコンピュータが自動的に計算してくれるようなプログラムを自ら作成するということも学んでいるという。電力需要予測以外にも、電力自由化に伴う電力の市場価格を分析予測することなども研究対象だ。

「日本の電力は、CO2を発生する火力発電が多いですよね。しかし、電力の需要予測を行って、再生可能エネルギーを効率よく運用できれば、CO2の削減など環境問題に貢献することも可能なんですよ」と浦野准教授は話す。

データ分析能力はさまざまな仕事で転用できる

とはいえ、実際に学生が卒業研究に選ぶテーマはエネルギーネットワークに限らない。株価予測や感情の起伏など、学生自身が興味を持てば、その選択を尊重する。「需要予測も株価予測もシミュレーションの手法は同じ」と准教授。自分なりの研究で得たデータ分析の技術や知見は、工場生産の現場やマーケティングなど多くの職場で必要とされているデータサイエンティストとしての仕事で生かすことができるという。

パソコンや通信の発達で、インターネット上には買い物履歴や検索履歴などたくさんのデータが蓄えられている。しかし、浦野准教授は「データを集めるだけではただのゴミ」と話す。「集めたデータを価値あるデータに変えて、将来につなげていかなければ意味がありません。その技術を学ぶのが私の研究室なのです」。

浦野准教授は、そんなデータ解析能力を身につけるために、ぜひ高校生に意識してほしいことがあるという。「手を動かしてたくさんの実験を体験してきてほしいですね。実験室を使うような大きな実験でなくても、身の回りのものでできる簡単なことでもいい」。

データ分析というと、パソコンにばかり向かっているイメージがあるが、実際には先行する研究がないか文献を調査したり、どんなデータでシミュレーションをするか検討したりする作業も必要とのこと。情報の収集や選択などのセンスも問われるからこそ、実験を通じた経験値が、大学で研究を行う際の財産になるのだろう。

 

先輩に聞く

ネットワークデザイン学科4年 荻原航大さん(長野・県立野沢北高校出身)

ネットワークデザイン学科の研究室は、3年次から所属するため、自分なりの卒業研究のテーマを探る時間がたっぷりあります。私が選んだテーマは、株価などの経済指標です。先生が専門とするエネルギーとは異なりますが、予測シミュレーションの手法を身に付けることができます。シミュレーションには「これで完成」という終わりがないため、ある程度の結果を卒業論文にまとめなければなりません。しかし、より精度を高めたシミュレーションをして、もっと深く自分のテーマを追究したいと思い、大学院に進学することを決めました。高校時代は、サイン・コサインなど授業で習うものが何の役に立つんだろう?と考えがちですが、後から気づくのは論理的思考力を鍛えるトレーニングになっているということ。ムダな学びはないという意識で勉強するとよいですよ。

 

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