地域特有の風土、伝統的製法に基づいた独自の品質を持つ農水産物や食品の名前を、国が地域ブランドとして保護するのが「地理的表示保護制度(GI)」だ。

偽物や類似品を防ぐ

単なる原産地表示とは違い、地域で育まれた伝統特性を持つ農水産物や食品とその産地の結び付きを明らかにし、知的財産として登録・保護することで類似品や 偽ブランドを取り締まる狙いがある。日本では2015年6月から導入、これまでに28品目が登録された。対象となった産品には、日の丸と富士山をモチーフ に、中央に金色で「GI」と書かれたロゴが付けられる。

食品では奈良県の「三輪素麺(みわそうめん)」や、三重県松阪市などで生産される「特産松阪牛(とくさんまつざかうし)」など、食品以外では大分県国東市などで生産される畳表「くにさき七島藺表(しちとういおもて)」などが登録された。

欧州で先行、「シャンパン」も

政府は、日本で開発された高級ブドウやイチゴなどが海外で無断栽培されている現状を踏まえ、諸外国と保護対象リストを交換し、日本のブランドが海外で保護され、日本で海外のブランドを保護する態勢づくりを目指す。

GIは欧州連合(EU)が先進的な地域で、イタリアの「パルマハム」、フランスの「シャンパン」などが知られている。

 GIの登録産品 
※2017年3月時点。生産地が複数の自治体にわたる場合は一部を掲載