演劇部門で優秀賞・文化庁長官賞に選ばれた茨城・日立第一高校演劇部。全国高総文祭では、部長の磯前千春さん(3年)によるオリジナル脚本の「白紙提出」を上演した。(中田宗孝)

 

茨城・日立第一高校演劇部(8月27日、東京・国立劇場。幡原裕治撮影)

本番に臨むまでの姿勢を大事に

「白紙提出」は性の悩みを一人抱える主人公の男子高校生が、彼の友人たちと繰り広げる青春群像劇。笑いをふんだんに劇中に盛り込み、明朗なコメディタッチで展開するのが見どころだ。劇間にプロジェクションマッピングを効果的に挟む舞台演出も光った。

練習は、昨年7月から始まった。役者として全国高総文祭のステージに上がった部員の佐藤碧夢さん(3年)と橋本樹里さん(3年)は、「答えは稽古場にあり」と話す。「自分たちがどう動いけば良い舞台になるかを役者はもちろん、音響や大道具など裏方を担当する部員全員が考えます。その考えを試せるのが稽古の時間です。本番に臨むまでの演劇に対する姿勢が何より大事」(橋本さん)

本番に向けて週7日行った劇のリハーサルは、日を追うごとに良くなり手応えを実感したという。賞を受賞し、稽古場での汗が結果となって表れた。「私たちを支えてくれた顧問の先生や保護者の方への感謝も忘れないです」(佐藤さん)

役者で貢献した佐藤碧夢さん(右)と橋本樹里さん。橋本さんは役者のほかに舞台監督補佐を担当。また、自身のバレエ経験を生かし、劇中のダンスの振り付けも考えた(中田宗孝撮影)