10センチ以上の身長差を打ち消すべく、好守を見せた五十嵐平主将

全国高校総合体育大会(インターハイ)バスケットボール競技は8月1日、あづま総合体育館(福島)で男女準決勝が行われ、男子の帝京長岡(新潟)は福岡大大濠(福岡)に4度の延長の末87-89で敗れた。キャプテンの五十嵐平は、昨年は主力としての試合経験があまりないが、今年大きく成長。キャプテンとしてもチームに欠かせない存在となった。(文・写真 青木美帆)

志願してキャプテンに、責任感と気遣いと

3位表彰式と集合写真の撮影が終わったあと、五十嵐平は自身のメダルをはずし、エントリー外の部員にかけた。「今回はエントリーを外れたけれど、1年のときから練習中によく声を出して、常に100パーセントでやっている選手なので」。その気遣いに心を打たれた。

自身が1年生の時にキャプテンを務めていた先輩にあこがれ、立候補してキャプテンに就任した。柴田勲コーチいわく「去年は箸にも棒にも引っかからなかった選手」だが、五十嵐は部員に練習中から口うるさくさまざまなことを指摘してきた。昨年から経験を積んできた同級生への気後れは多少あったと認めるが、「チームが悪いときにしっかりまとめてあげなきゃいけない立場なので、言うようにしています」。ポイントガードの祝俊成も「練習で試合でも一番声を出すし、チームを引っ張ってくれて絶対に欠かせない存在」と五十嵐を評する。

技術面でも努力を重ねた。もともとの持ち味だったディフェンスに加えて、ここ数カ月はシュート力がぐんと伸びた。柴田コーチが「県予選や北信越大会は0点か、取っても2点。ノーマークのシュートをポロポロ落としていたけど、今大会は大事なところで決めてくれるようになった」と言うように、点数こそ少ないが決めるべきシュートをしっかりと決め、チームを盛り立てた。

粘り強いディフェンスで最大15点差のビハインドから延長に持ち込んだ帝京長岡

両足がつるまで戦い抜いた

異例の再々々延長となった福岡大大濠戦では、191センチの横地聖真(1年)にマッチアップした。10センチ以上身長が高く体も強い相手に体をぶつけて守り、終盤は両足がつった。「チームを勝たせないといけない。関係なくやらなきゃという気持ちでプレーしていました」と疲労をおくびにも出さずに戦いぬいたが、最後は力尽きた。

「チームを勝たせてあげられなかったことが悔しくて…」。試合後はひざに両手をついて号泣し、その後も泣き通しだった。「普段はそんなに涙もろいタイプではないんですが、この試合はダメでした。勝ちたかったです」

ウインターカップに出場するには、県大会で最大のライバル・開志国際(新潟)に勝たなければならない。今大会の大きな借りを返すため、チームはキャプテンを先頭に新たなスタートを切る。

死闘が終わり、五十嵐主将(右)と池田大雅(3年=左)をねぎらうブラ・グロリダ(3年)