左から藤井齋君(副会長)、片山健太郎君(同)、森崇久君(会長)

 

授業を終え、さあ帰ろうと思ったら外は雨。「まずい、傘がないぞ……」。そんな経験を持つ読者は多いだろう。

昨年11月に発足した東京・海城高校の生徒会現執行部は、校内の落し物の傘を集め、傘を忘れた生徒に貸し出すサービスを3月から始めた。発案したのは副会長の片山健太郎君(2年)。「僕も傘を忘れて困った経験があったので、何とかしたい」と思い企画した。自分で企画書を作って学校に提出し、数度の交渉を経て実現にこぎつけた。

現在は約20本の傘を用意して、日中に雨が降り始めた時や、雨が降りそうな日の放課後に昇降口で貸し出し中だ。傘の柄に番号を書いたシールを貼り、生徒の名前と番号をノートに記録して管理する。返却は翌日の朝、昇降口に用意した専用容器に入れてもらう。会長の森崇久君(2年)は「傘を再利用しているので、ごみを減らすことにも役立ちます。エコな取り組みです」と語る。

3月のある日、初めて生徒が傘を借りにきた日のことを、片山君は忘れない。「自分の企画が生徒に受け入れられているのか心配だったので、貸した瞬間は感動しましたね。次の日の朝、傘が戻ってきているのを確認した時はもっと感動しました」

2カ月後には梅雨に入る。忙しくなりそうだ。(文・写真 東憲吾)

(高校生新聞2014年4月号から)