高校在学中にスキューバダイビングのライセンスを取得しよう――。そんな目標を掲げる家島(兵庫)マリンスポーツ部は、海に囲まれた離島ならではの部活動。3年生は、この夏、念願のライセンスを手に入れる予定だ。 (文・写真 中尾義理)

学校は、姫路港から船で約25分の家島諸島にある。「海と人間類型」「海と科学類型」などの教育課程を設ける「海の学校」だ。

マリンスポーツ部は2011年に創部された。3年目の今年は男女10人が在籍。月曜日は筋力トレーニング、火、木曜日は学校近くのスポーツ施設の25㍍プールで泳いで体力を付ける。

ダイビングのインストラクターが指導する日は、ボンベを背負い、水深10㍍ほどの海中世界を体験、ライセンス取得に必要な講義も受ける。八田康成(3年)=兵庫・家島中出身=は「家島で漁師になりたい。ダイバーの資格やスキルは、そのための財産になる」と目を輝かせる。

ウエットスーツやフィン(足ひれ)などを装着し、泳ぎのスピードを競う全日本スポーツダイビング室内選手権への出場も大きな目標だ。昨年の50㍍フリッパー(フィンを着けて水面移動の速さを競う)高校女子8位の上西萌音(2年)=同・坊勢中出身=は「フィンの使い方が上達したので、今年は負けたくない」と、練習に熱が入る。 八田は「遊び場でもある島の海は、奇麗に見えても潜ればごみがたくさん。資格を取ったら海中の掃除もやりたい」と語る。

顧問の北口耕介先生は「ダイビングの知識と技術を身に付け、将来は海を通して島を盛り上げるリーダー的存在になってほしい」と期待を寄せている。