綱引きの公平性について研究した柏高校の4人

スーパーサイエンスハイスクールに指定されている千葉県立柏高校の小松本啓太君、島田匠君、長谷川智也君、南大成君の4人は、2年生だった昨年度、同校の体育祭で行う綱引きの公平性を地質調査によって検証した。

グラウンドの地質に注目

体育祭の綱引きはグラウンドの両側(A側とB側)に分かれて行われるが、一昨年までの2年間でA側が7勝1敗と勝敗が偏っていた。原因は地質の違いにあると考えた4人は、両側の地面の貫入抵抗や摩擦などを、くぎを刺す、タイヤを滑らせるといった方法で測定した。

その結果、A側の方が土の粒が小さく地面が軟らかいことが分かった。A側は野球部、B側はソフトボール部が使っていた。「A側は滑りにくく踏ん張りがきく。公平な条件で綱引きをするには全面を一つの部が使っている場所にするべきと考え、地質を調査した上でサッカーグラウンドでの実施を提案しました」と島田君。

学校の承諾を得て、昨年の体育祭では4人が提案した場所で綱引きを行った。すると女子は2勝2敗だったが、男子は4勝0敗。原因を調べると、4勝した側の端に草むらがあり、一部の男子がそこに入ったため滑りにくかったことが判明した。次回は草むらに入らないよう数メートルずらした場所で実施する予定だ。4人は「今回の改善で本当に公平に競技が行われてほしい」と話す。

研究は、3月に開かれた関東近県スーパーサイエンスハイスクール合同発表会で発表した。

(文・平野さゆみ、写真・幡原裕治)