世界に向けて未来を提案しよう!
創りたい未来社会 〜あなたの夢とこだわり〜

「NRI学生小論文コンテスト2014」(主催:野村総合研究所・略称NRI)の第9回の募集テーマは「創りたい未来社会〜あなたの夢とこだわり」。全部門応募総数883件のうち、高校生の部は687件を占め、受賞した高校生4名が論文発表、表彰式に臨んだ。

昨年12月19日(金)、受賞者は野村総合研究所丸の内総合センターにて、大学生や留学生とともに「自分の夢」についてプレゼンテーションを行い、翌20日(土)に表彰式に臨んだ。

論文発表の前に、NRIの室井雅博副社長から「私たちは経営コンサルタントとして大企業を支えるほか、若い方の人材育成に貢献したいと考えています。このコンテストもその一つ。『近頃の若い者は…』とよく言われますが、こんなに突き詰めて考えることのできる若い人たちがいます。どうかのびのびと自己主張をし、英知を持って日本を明るくしてください」というあいさつがあった。

続いて1人5分以内でプレゼンテーションが行われる。最初に発表したのは大賞受賞の韓大鏞さん(兵庫・私立神戸朝鮮高級学校2年)だ。高齢化と少子化を課題にグローバルな人材を育てるための留学生の受け入れという提案は、「高校生らしい解決策」と評価された。なめらかに持論を語る韓さんの姿が頼もしい。続く優秀賞、特別審査委員賞の発表も、甲乙つけ難い内容だった。

翌日行われた表彰式は東京ステーションホテルでの開催となった。式に先立ち、NRIの嶋本正社長より「『V』に関わる話をしましょう。ふだん社内では3つの『V』を考えて行動しようと言っています。将来こうなりたいというVision、視点やものの見方であるView、自分の価値が何なのかを考え、それを磨いていくValue。皆さんもこの3つを大事にしてもらい、人生の役に立ててほしいと思います」と語った。

特別審査委員 池上 彰氏
今後さらに破天荒な構想に期待

池上彰氏はまず、「以前、このコンテストに参加した受賞者のひとりは、当時医師を目指していましたが、今は内閣府に入って社会を変えたいと進路変更をしたそうです。このコンテストをきっかけに人生の選択肢が増えることはうれしいですね」と過去受賞者の例を紹介した。

大賞の韓さんについては「紛争、貧困に苦しむ子どもたちを日本に招き、その家族も支援することで将来の日本ファンを作っていくという発想がとても優れていました。朝鮮高級学校の生徒からの応募は過去にもありましたが、大賞は初めて」とその快挙を称えた。

優秀賞の菅野さんについても「里山が十分に活用されていないことに着目し、構想力が雄大でした」とその着想を評価。

自身の体験を踏まえたネットいじめの解決策を提案し、同じく優秀賞を受賞した谷口さんは、「コミュニケーション科目を必修にし、コミュニケーション不足を解消していじめをなくそうと考え、そのための実習も取り入れるという提案は、まさに我が意を得た思いでした」と評価した。

特別審査委員賞の野田さんには「世界を学ぶことでグローバル化が進むという論点に、思わずひざを叩きました」と語りかける。

最後に今後の課題として「個々の論文はすばらしいが、論文として多少破綻しても、もっと破天荒な構想がほしい」と締めた。

特別審査委員 最相 葉月氏
今を軸に未来を考えてくれたことに感銘

最相葉月氏は作家・星新一氏の「声の網」を冒頭で紹介した。現在のネットワーク社会を予測したかのような作品だ。「1980年代に書かれた作品です。新聞に『情報化社会』という見出しが出た頃。そこからどこに行くのか考えて作ったのでしょう」と語りかけてから「本来、過去は先人が築いたもの。だから未来を考える時には、『今』を軸に乗り越えないといけません。それを理解して書いていることに感銘しました」と受賞作を称えてから個別に講評を行った。

韓さんの論文について「国際問題、紛争問題、空き教室問題など、韓さんの提案で解決します。しかも、一時的でなく、循環するところがよい」と絶賛。

菅野さんには「日本の間伐リサイクルを考え、途上国の環境問題に活用するという提案だけでなく、そこに自分も参画しようという点がよかった」と話し、谷口さんには「いじめという非常に深刻な問題を真正面から考えてくれた。相手の立場に立つことを模索している点が評価できます」と語った。

野田さんには「海外と日本の子どもたちがグループになって一緒に課題解決をするという提案は実現可能かも。むしろ今まで、なぜなかったのだろうと思いました」と評価した。

最後に「今の時間を大切にしてほしい」と若い世代へエールを送った。

 
 
 

 

 

 

 

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コンテストの詳細はこちらへ。http://www.nri.com/jp/event/contest/
2015年度も同様のコンテストを実施する予定です。 詳しくは今年5月頃に、ご案内します。