優秀賞

想いよ届け!私の赤いランドセル

松山市立鴨川中学校 3年 木下 春香

 

「あの、赤いランドセルがいい!」

祖父母に買ってもらったランドセル。6年間、雨の日も風の日も私の背中を守ってくれた。小学校を卒業して3年間、押入れの中で静かに眠っていた。

押入れの整理をしていたある日、3年ぶりに目にしたランドセル。手に取った瞬間、小学校の楽しかった思い出が頭の中を駆け巡った。大切なランドセル、何かの役に立たないかと思い、ネットを使い調べた。そこで目にした「ランドセルは海を越えて」の文字。アフガニスタンの子ども達にランドセルを寄付するというのだ。その活動に興味を持ち、アフガニスタンの現状を調べた。

そこでは、未だに就学率が52%で、教育を受ける必要が無いとの認識がある。そのような考え方を払拭し、男女平等にランドセルを配ることで、「教育を受けることが当たり前」という考え方を広めようと、この活動が行われるようになった。その現状を知り、この活動に参加したい、教育を受けられない子ども達に私が過ごした小学校時代のような楽しい思い出を作って欲しいと強く思った。ランドセルだけではなく、未使用の鉛筆やノートなどの文房具を詰めて寄付できることも知った。この活動をもっと多くの人に知って欲しい!一緒に幸せの輪を広げたい!と思い、友人や近所の方にも声を掛けた。アフガニスタンの現状を知ってもらうため、手作りのチラシを作成した。一枚一枚丁寧に、なぜ自分がこの活動に参加したのか、アフガニスタンでは未だに就学率が低く、文房具も不足していること、一人でも多くの人にこの活動へ参加して貰い、一緒に世界の幸せを築いて欲しいことを手書きした。

共感し、寄付をしてくださった方から、
「この活動を初めて知って、今度は自分の孫が卒業した時、ランドセルを送らせてもらうね。世界貢献の取り組みを教えてくれて、本当にありがとう。」
と、言って頂けた。その言葉を聞き、自分の行動がみんなの心を動かし、世界貢献につながったと確信し、嬉しくなった。一緒に動いてくれた祖父母や家族も私と同じ気持ちだったに違いない。そして、みなさんにお願いした結果、ノート34冊、鉛筆33本、クレヨン41本、色鉛筆12本、消しゴム4個を寄付して頂くことが出来た。集まった文房具をランドセルに詰め込むと、私や協力してくださった方々の、世界の幸せのために尽力したい!という想いも一つになったような気がした。

日本に住む私は、世界に行き、何かをすることは、まだできない。しかし、今回の活動のように、日本に居てもできる事はたくさんあると知った。未来を創り行く私達が世界を知り、できる事から取り組み、その中で、世界を変えて行く。同じ空の下、私の赤いランドセルを背負った子どもが、キラキラと輝く笑顔で過ごすことを心から祈っている。想いよ届け!私の赤いランドセル!

 

 

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