外務大臣賞

思いやりの輪を広げよう

秋田大学教育文化学部附属中学校 1年 平尾 織花 

 

「いつまでもBest friendだよ。」私はこの言葉を忘れない。

小学6年生の時、インドネシア人の友達が私の学校に転校してきました。言葉も宗教も違う子に最初はとまどいましたが彼女も私も英語が少し話せるということもあり、すぐに仲良くなっていきました。席も近く、通学路も同じで、彼女はインドネシアのことについてたくさん話してくれて、それから私は外国に興味をもつようになりました。彼女はすぐに日本語が上手になり、私をインドネシアのお祭に誘ってくれたり遊ぼうと声をかけたりしてくれました。いつしか彼女は私にとってとても大切な友達になっていました。

しかし、学校生活を送る中で徐々に宗教の違いが目立つようになってきました。昼休みに遊ぼうと声をかけると彼女は「お祈りをするから待っていてね。」と顔や手を洗いに行き、一生懸命お祈りをしていました。彼女はイスラム教の信者で、私は初めて宗教の違いに驚かされました。そんな中、その子をからかったりばかにしてくる人もでてきました。時には、私に泣きながら相談してきたこともありました。わかっているのに何もできない私が悔しくてたまりませんでした。その時私はあることに気付きました。それは、これが差別の原因になる一つの理由なのかもしれないのだと。世界には宗教や言葉、人種などの違いにより差別をされている人がたくさんいます。この差別をなくしていけば世界中の人々が誰かを憎んだり悲しんだりすることはなくなるのではないでしょうか。このようなことをなくすために私ができること、ちっぽけなことだけれどもとても大切なこと。それは、相手のことを理解するということです。理解することで差別という大きな壁を打ち破り、世界中の人々が争いのない平和な世界をつくることができるはずです。

それから私は彼女としっかりと向き合い、理解しようと心がけました。先生に相談したり、みんなに彼女の国、宗教や言葉のいいところを見つけ、教えてあげたりしました。すると、彼女をからかう人は少なくなっていきました。私はとても嬉しかったです。彼女の力になれたことはもちろん、相手を理解するという小さな心がけだけで大きな成果につながるという「理解」のすばらしさ。これらのことが私と彼女の出会いで学んだとても大切なことです。

私は他にも大切なことに気付くことができました。それは、世界中の人々と関わっていく中で宗教、人種の違いは必要のないものだということです。相手が誰だとしても私たちはみな同じ人間です。しっかりとした権利をもっています。いつか、世界中の人々がお互いを理解し合い、差別のない平和な世界をつくりだせると私は信じています。

 

 

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