試作したバッジを胸に着けて発表した安野さん(3月19日、SGH甲子園)


 長崎・長崎東高校の安野伊万里さん(3年)は、地元の観光に注目。長崎を訪れる外国人観光客を多言語でサポートすることや、観光客が話し掛けやすい環境づくりが必要だと考えている。

長崎の課題を見つける授業で、多くの観光名所がある中、バスの案内板が日本語と英語のみであるなど、英語以外の言葉を話す外国人観光客への配慮が足りないと気づいた。そこで、「観光に関わる人たちが使える、中国語や韓国語など多言語で書かれたQ&A集を自分たちで作りたい」と構想中だ。

バッジで高校生と橋渡し

長崎在住の外国人や同校の生徒475人へのアンケートも行った。その結果、「外国人は長崎の人ともっと話したがっている」「自分からは外国人に話し掛けられない内気な高校生が多い」と分かった。

そこで、カステラなどの長崎名物を描いたバッジを作り、外国人と接したいと考えている人の胸に着ければ、外国人が話し掛けやすい環境をつくれるのでは、と青写真を描いている。多くの高校生が着けてくれるように「かっこいいバッジを目指します」と意気込む。

(文・写真 木和田志乃)