民族楽器自在に操る「自分も聞き手も楽しくなる演奏を」(東京 帝京大学高校・中学校 南米音楽部)

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南米音楽部の部員。着ているのは演奏会用のポンチョ

 帝京大学高校・中学校(東京)の南米音楽部は、ペルーやボリビアなどアンデス地方で使われている楽器を自在に操り、「フォルクローレ」と呼ばれる民族音楽を奏でている。他の音楽系の部活と違い、楽譜を使わずに音を耳で聞いて練習しているという。音楽で競うことはしない。自分も聞き手も楽しくなる演奏をモットーにする活動を追った。
(文・写真 野村麻里子)

 ほとんどの部員は楽器演奏の未経験者だが、それがハンディにならないという。奏法が特殊だったり、身近な楽器ではなかったりするからだ。

 縦笛の「ケーナ」や、長さが異なる管を組み合わせた笛の「サンポーニャ」、弦が10本あり独特の高音が魅力の「チャランゴ」、リャマ(ラクダ科の動物)の爪を鳴らす「チャフチャス」など、演奏する楽器は多彩だ。南米音楽に精通し、部を立ち上げた顧問の加藤哲也先生から指導を受けている。

楽譜なし!耳コピで覚える

 5、6人のグループに分かれて演奏する。曲の覚え方は、いわゆる「耳コピ」。先輩の演奏を録音した音源や加藤先生による演奏を聞いて、音を体に染み込ませていく。楽譜がないため、合奏するのが難しい。峰岸桃子さん(高校2年)は「アレンジを加えるので、同じ曲でもグループで違うように聞こえます」と話す。グループの持つ雰囲気が、曲に表れてくるという。

タルカを奏でる部員たち

スペイン語で歌う

 コンクールはない。音楽で競うことはしない。大切なのは楽しむこと。文化祭や定期演奏会などに向けて練習を重ねる。夏にはプロやアマチュアが集まる南米音楽のイベントに参加。観客はもちろん司会まで踊りだすという。「演奏者とお客さんが楽しめれば、少し間違えても、それは〝成功〟なんです」(峰岸さん)

 スペイン語で歌も歌う。チャランゴ担当の部長・坪井建斗君(高校2年)に一番盛り上がる曲を聞くと「掛け声が入るヒナヒナという曲」と教えてくれた。

 現在は3月の定期演奏会に向けて練習中。民族衣装のポンチョを着て本番に臨む。

第11回真夏のフォルクローレフェスタにて(16年7月16日杉並公会堂、学校提供

第11回真夏のフォルクローレフェスタにて(16年7月16日杉並公会堂、学校提供)

帝京大学高校南米音楽部のYouTube動画はこちらから!

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 部活データ 
 1988年創部。部員18人(高校3年生5人、2年生6人、1年生2人、中学生5人)。週3日、放課後に練習。部訓は「楽しく!」。3月20日に東京都八王子市の南大沢文化会館主ホール(京王線南大沢駅徒歩3分)で定期演奏会を行う。入場無料。

顧問の加藤哲也先生

顧問の加藤哲也先生

(高校生新聞 2017年3月号から)

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