【全国高校サッカー】青森山田が史上最北で初V 雪国のハンデを克服

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今大会の得点王となった鳴海彰人

今大会の得点王となった鳴海彰人

 第95回全国高校サッカー選手権の決勝が1月9日、埼玉スタジアムで行われ、青森山田(青森)が前橋育英(群馬)を5-0で下し、初の日本一に輝いた。同大会史上最北端となる青森県勢の初優勝の土台には雪国というハンデを乗り越え、選手の体力を最大限まで強化したオリジナルの練習法にあった。(文・茂野聡士、写真・幡原裕治)

5得点のゴールラッシュ

 ともに初の選手権優勝を目指す決戦、序盤の青森山田は攻勢をかける前橋育英の前に後手に回った。しかしJリーグFC東京入団内定のGK廣末陸(3年)の好セーブで流れを手繰り寄せると、同じく千葉内定のMF高橋壱晟(3年)が先制ゴールを挙げる。前半終了間際に追加点を挙げたチームは、後半に入ると鳴海彰人(3年)が立て続けにゴールを挙げるなど5得点のゴールラッシュ。悲願の初優勝に廣末は「歴史を塗り替えられた」と喜んだ。

好セーブでチームを導いた廣末陸

好セーブでチームを導いた廣末陸

雪中での特訓が奏功

 高校サッカーの勢力図を見ると、これまで東北や北信越地方は冬場に雪が積もりグラウンドを使えないハンデがあった。しかし青森山田は厳しい冬の期間を、雪国でしかできない特訓で自らを鍛えてきた。青森県出身のDF小山新(3年)はこう語る。「選手権が終わり、新チームになった直後に“雪中期間”というトレーニング期間があります。そこでチームは雪中での走り込みやサッカーに励みます」

ボール争奪で優位

 普段は芝だが、雪が積もる白銀のピッチ。東京都出身の廣末は「最初来た時は『どこで練習するんだ?』と思いました」というほど衝撃を受けたという。しかし足元が取られやすい雪上ではおのずと足腰が鍛えられ、球際のプレーでも力強さが増していった。前橋育英との決勝戦でも、相手とのボール争奪で優位に立ったことが、大勝を呼び込む要因となった。

 昨年度は準決勝で敗退。そのピッチに立っていた鳴海は「自分たちの代で絶対に優勝するという気持ちだった」との決意を忘れず戦ったことを明かした。1年前の悔しさと、冬の厳しい寒さにも耐えて鍛えた体力。全国制覇と縁遠かった青森県勢の初優勝は、厳しい環境の地域にもチャンスがあることを指し示した。

【チームデータ】1970年創部。部員165人。今年度は高体連とJリーグ下部組織などが競うリーグ戦、高円宮杯プレミアリーグでチャンピオンシップを制覇した。主なOBは柴崎岳(鹿島)ら。

雪国のハンデを乗り越え初優勝を勝ち取った青森山田

雪国のハンデを乗り越え初優勝を勝ち取った青森山田

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