カンボジアの子どもに自己紹介

私が通う岡山学芸館高校では、カンボジアの子どもたちを日本に短期留学生として呼ぼうと、有志の生徒がカンボジアのカレーを地元・岡山で販売した。私はリーダーとしてメンバーを率い、10月に3人の中学生を招くことができた。(森弓花・同校3年)

国際支援、高校生でもできる

カンボジア45万円プロジェクト」は昨年、1学年上の先輩たちが立ち上げた。カンボジアから日本への渡航費と3週間の滞在費を試算すると、3人で45万円。その資金を集めるための手段が、カレーの販売と募金活動だ。

カレーを選んだのは、日本で再現可能な「カンボジアの味」のため。チキンと、カボチャやナスなどの野菜が多く入っていて、ココナツがベースであまり辛くなく、まろやかな味が特徴だ。私たちは今年3月から9月にかけて、地域の行事やお祭りに7回出店してカレーを販売した。1回の出店で目標としていた200食が完売するようになった。

9月に目標金額を達成し、10月下旬に3人を日本に呼ぶことが実現。3人は11月上旬まで滞在し、日本文化や部活動を体験した。

カレーを販売

日本語学ぶ姿に心動かされ

私がリーダーとしてプロジェクトを継続させたのは、日本語を学ぶ少女との出会いがきっかけだ。彼女は、昨年のプロジェクトで来日し、その際、私の家でホームステイに受け入れた。茶道をしたり、柿や稲、大根を収穫したりするなど、日本を感じられる経験をしてもらいながら、絆を深めていった。

私は「また彼女に会いたい」という思いから、昨年12月にタイ・カンボジア研修に参加した。彼女は、帰国後、より勉強熱心になり、今度は1年間の留学へ行くために頑張っているという。

現地での再会を果たし感じたことは、「プロジェクトは継続すべきだ」ということだった。たくさんの子どもたちが教科書を大きな声で音読しながら、夢と希望を抱いて日々の学習を頑張っている。「私たちにできることは何でもしたい」。そんな思いから、先輩が卒業してもプロジェクトを引き継ぐ決意をした。

ホームステイで受け入れた少女とカンボジアで再会

後輩に受け継いでいきたい

国際支援の方法はいくらでもある。私たち高校生だって何かできる。実際に行動に移す大切さは、大人になっても忘れたくない。カンボジアからやってきた、3人の短期留学生の笑顔は、何にも代えがたいすてきな感覚を私たちに与えてくれた。

このプロジェクトを2年間で終わらせず、また来年、再来年と学校全体が一丸となって続けていくために、後輩に伝え、1人でも多くの子供たちを日本に呼ぶのが、私の使命だと感じている。

日本に招いたカンボジアの子ども3人