東京医科歯科大学は、2018年度入試から「特別選抜」として、面接と小論文などで合否を決める推薦入試などを導入する。高校時代に勉強に限らず力を入れた活動のある高校生を全国から集める狙いがあるという。

全学で推薦入試42人募集

同大はこれまで医学部保健衛生学科で推薦入試を実施してきたが18年度から全学に広げる。定員は医学部医学科(5人)、歯学部歯学科(5人)など全学で42人(表参照)。

各高校から出願できるのは、1〜2人。選抜は学科・専攻ごとに行い、提出書類の評価に加え、小論文試験、グループ面接・個人面接を課す。医学科のみセンター試験も課すが、「あくまで学力の確認」にとどめるという。グループ面接は、課題を与えての議論などを想定しているようだ。

リーダーシップ求める

導入の狙いは学生の多様化だ。医学科では入学者の8割が関東出身で、一部の高校に集中する傾向という。保健衛生学科、歯学科も半数以上が関東出身だが、「全国から入学してほしい」と大学幹部は口をそろえる。

受験勉強以外に打ち込んだことがある高校生に来てほしいという考えも強い。例えば医学科は推薦要件として「高い基礎学力とバランスのとれた人格」「医学に対する強い関心」「評定平均値4.7以上」などに加え、「きわめて優れた特性・学科能力または特筆すべき課外活動の経験を有すること」を掲げる。

入試担当の森尾友宏副理事は「(学力試験が)難関でチャレンジしにくいと思われているが、高校時代に頑張った活動のある人、リーダーシップのある人を全国から集めたい」と話す。

募集人数は今後増やす方向

推薦入試の募集人数は、一般入試(医学科は後期日程、他学科は前期日程)から振り替える。今後、「(推薦入試の)募集人数を増やす可能性は高い」(田上順次理事)という。

特別選抜の一環として18年度から国際的な教育プログラム「国際バカロレア」の有資格者を対象とした入試(推薦入試の募集人数に含む)も実施するほか、海外の学校で学んだ帰国生対象の入試も始める。