全国高校総体の新体操男子個人で2年ぶりに優勝した安藤梨友

全国高校総体(インターハイ)新体操男子個人が8月10日に松江市総合体育館で行われ、安藤梨友(岐阜・済美3年)が合計36.750点で1年時に続く2度目の優勝を果たした。(文・椎名桂子、写真・清水綾子)

ジュニア時代から全国大会での連覇を続けていた安藤の連勝が止まったのが、1年前のインターハイだった。高校最後の年にリベンジを懸けた安藤の演技は、1種目目のリングから鬼気迫るほどの迫力に満ちていた。力強さ、技の多彩さ、正確さ、すべてに「これでもか!」というすごみがあり、見るものを圧倒し18.450。昨年から導入された新しい採点基準ではなかなか出ない18点台を軽く超えた。

続くロープでは一転して時には笑顔も見える軽やかな演技でここでも手具の操作の巧みさと確かさが際立ち、18.300。昨年、安藤に黒星をつけた堀孝輔(三重・高田3年)はすでに演技を終えており、ノーミスではあったが、36.450点(リング18.325、ロープ18.125)。安藤の王座返り咲きが決まった。

1年前の敗北を「とても悔しかった。次は勝ちたいと思って頑張ってきた」と言う安藤。今年は、今まで以上に「考えて演技する」ことを心がけ、一時は失いかけていた自信を取り戻せるだけの練習を重ねてきた。才能あふれるチャンピオンだった安藤梨友は、負けを経験したことで一回り大きくなった。