東北特集 夏休みは東北へボランティアに行こう!

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東日本大震災から5年。甚大な被害を受けた東北地方の復興は、まだ道半ばだ。
現地では今なお多くのボランティアが必要とされている。もうすぐ夏休み。
ちょっと勇気を出してボランティアに参加して、いつもと違う夏を過ごしてみては?

学生が気軽に参加できる
ボランティアを用意

 ボランティアと聞くと、奉仕の精神や高尚な志がないとやってはいけないようなイメージをもつ人もいるのではないだろうか。「でも、ボランティアに参加する理由は何でもいいと、僕は思っているんです。ボランティアに対するハードルをもっと下げて、誰でも気軽に参加できる余暇の過ごし方の一つ、みたいに捉えてもらえたらうれしいですね」。そう話すのは、学生ボランティアの募集・派遣を行っている「Youth for 3.11(ユース フォー サンテンイチイチ)」の学生代表、武井裕典さんだ。

 同団体は、東日本大震災で被災した東北の復興を若者の力で支援し、支援を通じて社会の課題に向き合える若者を増やしていくことを目標に掲げ、2011年に誕生した学生団体。ボランティアをしたい学生と、ボランティアを求める現地の団体や第一次産業の生産者をつなぐ仲介役として、これまでのべ1万8千人の学生を東北に派遣してきた。

 大きな特長は、金銭的に余裕のない学生でも参加しやすいよう、現地での宿泊や食事などを安価で提供する「ハードルの低いボランティアプログラム」を設けていること。高校生の参加者には最大1万円の交通費補助を行う。また、現地での活動に必要な長靴や寝袋なども無料で貸し出している。

 用意されているプログラムも多彩だ。例えば、子牛と触れ合える1泊2日の酪農体験のような「ライトな」ものもあれば、三陸でホームステイをしながら1週間漁業に汗を流す「ガチな」ものもある。「自分の興味や都合に合わせて選べるので、まずはホームページをチェックしてみてください。『楽しそう』『現地を見てみたい』といった軽い気持ちで参加してほしいですね」

宮城県石巻市で行う
漁業を手伝うボランティア

同じく石巻市での様子
市内の仮設団地へ新聞を届けている

「東北を忘れていない」
メッセージを送り続ける

 参加の申し込みはホームページから行える。なお、未成年者の場合は保護者の誓約書の提出が必要だ。参加が決まったら、都内のオフィスで1〜2時間程度の事前研修を受ける。初めてボランティアに参加する人にも安心してもらえるよう、現地での活動内容や、どんな人たちと活動するのかなどを詳しく説明し、現地へ送り出すという。

 そして、学生が活動を終えて帰ってきたら、必ず行うのが「リフレクション(事後研修)」だ。活動を振り返り、自分が現地に対して何ができたのか、さらに自分はこれから社会のために何ができるのかを考えてもらうためだ。例えば、初めて農業体験をしたある高校生は、過疎に悩む現地の状況を目の当たりにして、若い力を呼び込むためにはどうすればよいかを考えるようになったという。武井さん自身も、同団体を通じて岩手県で被災者の就労支援に携わった。「高校生という多感な時期にいろんな人と出会い、多様な価値観に触れることは、自分を成長させる大きなきっかけになるはず。将来の日本を担う世代が、こうして若いうちに社会の課題を考える経験を持つことは、非常に重要だと思っています」

 学生ボランティアを派遣すると、現地の人たちは「若い人から勇気をもらった」「孫が増えたようだ」と喜んでくれるそうだ。東日本大震災から5年たち、被災地を訪れるボランティアの全体数は減っている。「だからこそ、僕たちが学生ボランティアを送り続けることで、『東北のことを忘れていないよ』というメッセージを届けられると思うんです。この活動を、これからもずっと続けていきたい。高校生のみなさんの参加を待っています」

武井裕典さん
特定非営利活動法人「Youth for 3.11」学生代表。埼玉・東京農業大学第三高等学校出身。立正大学心理学部臨床心理学科3年

Youth for 3.11とは?

 東日本大震災が発生した2011年3月11日、「災害からの復興と社会問題の解決に、学生が参画できる社会の実現」を目指して、4人の大学生が設立した学生団体。東北の被災地で活動する現地の団体などと学生の間に入り、資金や経験のない学生でもボランティアに参加できるよう、現地での宿泊所や食事などを安価で提供するボランティアプログラムを設けている。2013年に特定非営利活動法人登記。現在は、東北のみならず日本各地へ学生ボランティアを派遣している。
http://youthfor311.com/

(高校生新聞 2016年7・8月合併号から)

 

ボランティア

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