虚偽の記載には罰則

政治資金規正法は公正な政治活動を確保するため、政治資金の「出」と「入り」を公開させることや、寄付の上限などを定めた法律(1948年施行)だ。政界汚職のたびに改正を重ね、国からの補助金の交付決定を受けた企業(研究や災害復旧などに関連するものを除く)に1年間の寄付を禁じるなど、寄付についても細かく規定している。

提出が義務づけられている政治資金収支報告書に虚偽の記載をした場合、5年以下の禁錮または100万円以下の罰金だ。

使途に明確な基準はなし

ただ、政治資金規正法には使途について明確な基準がない。私的な目的に使っても収支報告書にその通り記載すれば違法ではないと考えられており、このため公私混同の問題がしばしば起きる。過去には自宅家賃に流用して党役職を辞任したケース、漫画本の購入費や風俗店の支払いが発覚して報告書は訂正したが閣僚は辞任しなかったケースもあった。

前都知事の「流用」は…

政治資金の流用問題で辞任に追い込まれたのが東京都の舛添要一前知事だ。家族同伴のホテル代や飲食費、美術品購入費などが「政治資金」として計上されていた。中には、漫画本の購入費や中国で購入したシルクの中国服の代金も含まれていたが、法律に違反した責任を取ったのではなく、政治的責任を取った形だ。