効率的に雨を防ぐ方法を考案した八幡高校の3人

「主要7カ国(G7)北九州エネルギー大臣会合」の福岡県での開催を記念し4月17日、中高生らが参加して「ユースエネルギーサミット北九州」が開かれた。福岡県内のSSH指定校の生徒が研究成果を披露し、G7の大臣に届ける意見もまとめた。
(文・写真 吉永恵子)

雨にぬれない傘って?

当日はまず、8校の生徒が自作のポスターを前に研究成果を発表した。

八幡高校の太田拓真君、渡口雄大君、森永湧也君(ともに3年)のテーマは、雨に体がぬれない傘。まず、現状の傘で雨の落ち方を調べ、傘をさして歩いたときに特に背中がぬれてしまうことが分かった。そこで、前方で雨を受け止める覆いがついた「新しい傘」を考案した。発表ではビニール傘を用いて実演した。

太田君は「今の形状ではぬれることがある。効率的に雨を防ぐ方法を考えた」と話した。

宇宙ごみを除去したい

小倉高校の荒木梨花さんとペレス前田寿利明(じゅりあ)さん(ともに2年)は、スペースデブリ(宇宙ごみ)に注目した。荒木さんは「種類を調べて、その形状を特定できれば、デブリを減らすのに役立つと思った」と話す。

粘土でデブリの形状を作り、それを回転させて動画を撮影。光の変化を表すグラフ「ライトカーブ」を作成した。グラフが実際のデブリと合えば、近い形状だと分かる。台形で傾き20度の形状が最も近いと突き止めた。

水不足の問題など議論

高校生5人が参加したパネルディスカッションでは、鞍手高校の田口菜々さん(3年)が世界の水不足について発表した。「世界の水不足を解決するために、日本の技術を提供したり、飲める水道水を輸出したりしてはどうか」と述べた。八幡高校の中野太賀君(3年)は「提供した技術をその国で継承できるように、学習施設を整備してほしい」と続けた。

生徒たちの意見は大臣会合に届けられた。