国立西洋美術館本館の外観(同館提供)

国内16件目、7月に決定

東京・上野公園にある国立西洋美術館本館が世界遺産に登録されることがほぼ確実になった。7月にトルコで開かれる国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会で正式に決まれば、国内16件目の世界文化遺産登録だ。

世界遺産は人類共通の遺産として保護すべき歴史的建造物や自然環境などが対象で、文化、自然、複合の3種類があり、現在の総数は1031件。年に1度、世界遺産委員会が審査し、ユネスコに登録を勧告する。

同委員会は世界遺産条約の締約国から選ばれた21カ国の代表で構成され、締約国は年2件まで登録を推薦できる。

日仏などが共同推薦

西洋美術館は7カ国17施設の「ル・コルビュジエの建築作品」の一つ。今回はフランス主導で日本を含む7カ国が共同推薦していたもので、他国にまたがる文化遺産への登録は初めて。

ル・コルビュジエは20世紀を代表するフランスの建築家で、1959年に完成した西洋美術館本館は日本にある唯一の作品。展示品の増加に合わせて増築できる「無限発展美術館」の構想や、1階の壁を取り去ったピロティ形式などで知られる。

 MEMO 
ユネスコ三大遺産 世界遺産のほか、伝統的な祭礼や芸能などの「無形文化遺産」、古文書や絵画などの「世界記憶遺産」があり、ユネスコ三大遺産とされる。日本からは無形文化遺産に能楽や和食など22件、記憶遺産には慶長遣欧使節関係資料など5件が登録されている。