ランとステップワークではすでに日本代表と遜色ないレベルだ

 

「早く日本代表になりたいです!」。そう目を輝かせるのは平野優芽(東京・東亜学園2年)だ。セブンズ(7人制ラグビー)の育成・強化選手に選ばれるなど、女子ラグビー期待の星として注目されている。目標は4年後の東京五輪だ。
(文・写真 斉藤健仁)

きっかけは祖父と父

祖父と父がラグビーをしていたため、小学1年生のころから自然と競技を始めた。

中学に入るとバスケットボール部に所属したが、2年生の途中からセブンズ(7人制ラグビー)の強豪チームの一つ「Rugirl-7」に入った。日本ラグビー協会が開催している、女子ラグビーの有望選手を集めて育成・強化を行うプログラム「セブンズユースアカデミー」にも選出されて、研さんを積んだ。

「重量挙部」で筋トレ

高校に入ると、「Rugirl-7」の練習と合わせて、「代表選手と比べるとまだまだ細い」と、「重量挙部」にも所属して週2回ほど筋力トレーニングに精を出している。「瞬発力が上がったし、5キロほど体重も増えましたが、もっと体づくりをしたい」

それでも、一見すると普通の女子高校生。「学校で周りに(ラグビー選手だと)言ってもビックリされません。みんなラグビーを知らないので」と苦笑する。

強気なステップワーク

昨年6月、「Rugirl-7」のメンバーとして太陽生命ウィメンズセブンズ2015東京大会に出場した。日本代表選手や自分より40キロも重い外国人選手も参加していたが、持ち前の強気なステップワークで相手を抜いてトライを量産。チームは準優勝だったがMVPに選出され、一気にスターダムにのし上がった。

「大きな選手と対戦するのにも慣れてきて怖さはなくなりました。自分のプレーが通じて自信になりました!」

憧れは男子のニュージーランド代表のベン・スミス。趣味はラグビーを見ることで、ラグビーざんまいの日々を送る。

20歳で東京五輪を迎える。「五輪に出場して金メダルを取りたい!」と夢を追いかける。

ひらの・ゆめ 2000年3月15日生まれ、東京都出身。松ノ木中卒。3歳から水泳を、小学1年生から杉並ラグビースクールで競技を始めた。160センチ、53キロ。