厳しい稽古に打ち込んだ成果が実を結んだ市川君

厳しい稽古でスタミナ強化

全国高校柔道選手権大会60キロ級を制した市川龍之介君(習志野高校2年)。中学時代は全国3位が最高成績だったが、決勝で前回王者の古賀玄暉君(愛知・大成高校3年)を破り、自身初となる悲願の日本一を手にした。

今大会に向けて、厳しい稽古を積んできた。「自分はスタミナがなかったので、先輩方に追い込んでもらい、スタミナ強化を図ってきました」と市川君。全体練習後に1人で走りに行くほど意識が高い。春先に全日本カデや国際大会で優勝した先輩、内田海翔君(3年)の存在も大きな刺激になった。

がむしゃらに戦い、頂点へ

「粘って粘って、ポイントでも何でもいいから相手を上回る。きれいな一本は取れませんが、がむしゃらに戦う」ことを信条としている。その言葉通り、今大会は4回戦までは全て指導による優勢勝ちで、しぶとく勝ち上がった。準決勝を鮮やかな一本勝ちで切り抜けると、自信は確信に変わったという。

決勝の相手の古賀君は、五輪金メダリスト・古賀稔彦さんの次男としても注目されている選手。それでも互角に渡り合い、残り30秒を切って繰り出した得意の肩車で有効を奪った。「自分は全然注目されていなかったけれど、有効を取った瞬間、会場がどよめいたのが分かり、うれしくて泣きそうになりました」

今後は選手権王者としてマークされる立場になる。しかし、「追われる立場になりますが、もっと強くなって夏のインターハイもしっかり勝ち、選手権でも連覇を狙っていきたい」と力強く語った。

(文・写真 小野哲史)

プロフィール●いちかわ・りゅうのすけ 2000年7月7日生まれ、千葉県出身。葛飾中卒。3歳ごろから父・孝さんが指導する道場で柔道を始める。全国中学校体育大会では3年時に3位入賞を果たした。170センチ、60キロ。