青木智也さん

受賞理由 
 ウエイトリフティング部に3年間所属した。今年度の主な成績は、福島県高等学校体育大会94キロ級大会新記録で総合優勝、東北高等学校体育大会94キロ級総合優勝、全国高等学校体育大会94キロ級総合優勝、第70回国民体育大会和歌山国体少年の部94キロ級総合優勝である。素直で明るい性格で、同級生、下級生からの信頼も厚い。

年の秋から頭角現す

中学では卓球部だったが、「高校に入ったら違うことに挑戦したい」とウエイトリフティングを始めた。全国レベルの強豪校ゆえに「毎日の練習はきつくて大変だった」。それでも地道な努力を重ね、着実に力をつけていった。

同じ94キロ級に全国制覇をするほどの強い先輩がいたため、2年の夏までは全国大会出場はかなわなかったが、先輩が引退した2年の秋以降、頭角を現していった。

初めて全国の扉を切り開いた3月の選抜大会は、「緊張してしまい、力を出し切れなかった」と、無念の5位。ただ、そこで味わった悔しさがその後の躍進の原動力となる。課題だった上半身を徹底的に強化し、8月の全国高校総体(インターハイ)では肩に故障を抱えながら悲願の全国制覇を果たした。「思い通りの戦いができました。自分もやればできるんだと思えた」

9月の国体でも肩の状態が思わしくなく、「今回はダメかな」とあきらめかけたが、鈴木宗徹監督から「ここまで来たら楽しむだけ」とアドバイスされ、気持ちを切り替えた。自分らしく戦うことのみを意識し、2つ目の全国タイトルを獲得。「ウエイトリフティングをやってきてよかった」と胸を張る。

卒業後は大学で競技を続ける。「まずはインカレのメンバーに選ばれること。そして福島県記録と学生記録を狙っていきたい」

(小野哲史)

 青木さんへのQ&A 

Q.中学との違いは?

忙しさの面でまったく変わりました。中学時代の部活は遊び感覚のところもありましたが、ウエイトリフティングを始めて、「これでやっていくんだ」という思いから毎日必死にトレーニングをやっていたからです。遊びに行く時間はあまりありませんでした。

Q.高校生活を送る上での心構えは?

とにかく自分からチャレンジすることだと思います。僕の場合は、自分の身体面の限界を知りたくて、ウエイトリフティングという新しい挑戦を始めたことで、充実した3年間を過ごすことができました。

Q.辛いことを乗り越える秘訣は?

競技を通して掛けがえのない仲間ができましたし、家族も毎日の送り迎えや試合会場への応援など、いろいろと支えてくれました。そういう周りの人たちの存在があったから、つらいことも乗り越えられました。

 学校の特色 
 創立93年の長い歴史を持つ伝統校である。部活動が盛んで、陸上競技部・柔道部・ソフトテニス部・ボート部・ウエイトリフティング部・アーチェリー部・男子バレーボール部など、さまざまな部が全国大会など上位大会に出場し、活躍している。