【早わかりQ&A】センター試験廃止へ 2020年度からの新テストは何が変わる?

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新テストの在り方などを検討してきた文部科学省の「高大接続システム改革会議」。左から2人目が安西祐一郎座長(3月25日、文部科学省)

 大学入試センター試験が、今の中学3年生が受ける2020年1月(2019年度)の実施を最後に廃止され、新しい共通テストに移行する。新テストについて検討してきた文部科学省の会議は3月末に、記述式問題の導入などの方針を決めた。将来は、コンピューター上で答える試験にする考えだ。各大学の個別試験の改革も求めている。社会に出てから必要とされる力が変わってきたことが背景にあるという。ポイントをQ&A形式でまとめた。

Q なぜセンター試験が廃止されるの?

A 1990年に始まったセンター試験は、マークシート式でありながら、「暗記だけでは解けない、考えさせる設問がある」と高校の先生の間での評価が高かった。だが、国は「先行きが予想しづらいこれからの社会では、知識の量だけでなく、自ら問題を発見し、答えや新しい価値を生み出す力が重要になる」という考えから、こうした時代に役立つ力を測る新しいテストに衣替えする方針を決めた。今の中学2年生が受ける2020年度から新テストを始める予定だ。

Q 何が変わるの?

A 2段階で変更される。まず、20年度からは、マークシート式(選択式)に加え、記述式の試験も始める。当面、国語と数学を対象に、条件に従って数十文字以内で記述する形式になる。英語では、「書く」「話す」要素を入れた試験にしたい考えだ。
今の小学4年生が受ける24年度からはコンピューター上で出題・解答する試験にして、記述の字数も増やしたい考えだ。

Q 本当にできるの?

A 課題は多い。50万人以上が志願する共通テストで、記述式試験を公平に採点するのは難題だ。採点支援のためコンピューターを活用することなどが検討されている。英語の「話す力」の試験は、録音機器を使うことを考えているが20年には間に合わない可能性がある。
 試験の実施時期も未定だ。記述式は採点に時間がかかるため、1月に実施するマークシート式の試験と試験日を分けて、数カ月早めることも検討されている。

Q 早まると準備が大変だね。

A 高校の先生は「学校の行事や授業への影響が大きい」と心配する人が多い。時期については、年に何度かテストを実施し、受験生が受ける時期を選べるようにすることも検討されていたが、技術的な課題が多く、実施は先送りになった。高校や大学の先生などが入った新テストの検討会議では、実現したい理想と現実的な課題の間で、揺れている感があるね。

Q 問題の内容は?

A マークシート式の問題も、出題の方法を工夫して、より「思考力・判断力」が必要なテストになるという。日常生活や社会とのかかわりを重視した問題や、いくつかの文章や資料をあわせて読んで考える問題などが検討されている。今の小学4年生が高校に入るころは、高校の科目の区分も大きく変える。新テストの問題も様変わりしそうだ。

Q 個別試験はどうなるの?

A 一部の大学の入試は、解答に必要な知識が細かすぎたり、解法パターンを覚えれば解ける問題だったりして、高校生に暗記中心の勉強をさせてしまっていると批判されている。文科省は各大学に、思考力や表現力をより必要とする長文の記述式や小論文、面接や討論など、試験の方法を多様化し、教科学習に限らず、高校時代の経験を参考にする選抜を増やしてほしい考えだ。その方針を先取りするような改革は既に進んでおり、16年度から東大が推薦入試を、京大が推薦・AO入試を始めた。

Q 20年までは変わらない?

A 大きく変わるのは20年度からになりそうだが、それに先立ち、16年度中にも、各大学は「入学者受け入れの方針」を定めることが義務付けられる。それには、入学者にどんな学力を求めているかが明記される。程度の差はあれ、各大学の入試問題や形式にも影響しそうだ。





(高校生新聞 2016年4月号から)

 

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