18歳選挙権は、高校生に直接かかわる問題。高校生記者5 人が意見を交わした

18歳から選挙で投票できるよう、法律が改正されることになりそうだ。だが、高校生新聞のアンケート結果を見ると、投票に積極的な高校生ばかりではない。「18歳選挙権」をどう考えるか。10代と政治の距離を縮めるにはどうすればよいか。高校生記者5人が自由に語り合った。

10代も意見出さないと

――18歳で選挙権を得たら、投票に行く?

前田 行かないと思う。政治のことが分からない。「駅前で見かける人」に入れるような人気投票になってしまいそう。

関根 私は投票する。18歳と19歳が投票に行かないと、より投票率が下がってしまう。せっかくの権利は行使しないと。

高橋 18歳から選挙に行って、20代、30代と投票を続けたい。60代以上の投票率が高いと、政策が高齢者向けに偏ると聞いた。子育ての援助なども充実させないとバランスがよくない。

田中 私も行く。私たちや20代、30代も意見を出さないと。

佐々木 必ず行く。政治のことが分からなければ勉強すればよいと思う。

むしろ「16歳選挙権」に!?

――選挙権年齢を18歳に引き下げることには賛成? 反対?(全員賛成に挙手)

前田 自分が投票に行かないと言ったのと矛盾するようだけれど……。18歳や19歳だからこそ分かることもあると思う。

佐々木 18歳で働く人もいるのだから。18歳で選挙権がない国は、ほとんどないと聞いた。

関根 若者の政治離れがひどいといわれる。若い時から政治に興味を持てば意識が変わる。

――18歳がベストだと思う?

佐々木 16歳で市区町村の小規模な選挙の投票をできるようにして、年齢が上がるにつれて、(都道府県、国と)範囲を広げていくのがいい。

田中 年齢と共に自然に判断力がつくものではない。16歳で小規模から始めるのはよい。

前田 高校の授業で投票について扱った直後に、実際に投票があった方が生かせると思う。

関根 義務教育の中学校を終えて働く人もいるし、一つの区切り。16歳選挙権に賛成。

LINEで広報したら

――アンケート結果を見ると、政治家を「信頼できない」と感じている高校生が多い。

高橋 親など周りの大人の影響が大きい。政治家をよく知らなくても、そう思ってしまう。

佐々木 政治家もさまざまだと思うが、スキャンダルが大きく報道されると不信感を持ってしまう。善いことも報道されれば。

関根 国会中継以外、政治家が何をしているのかが分からない。普段、何をしているか分かると、関心を持ちやすい。

――10代が政治に関心を持ち、投票するためには?

前田 学校の先生に聞いてみたら「投票率を上げるより、政治を学ぶ機会を設けることが大事」「自主的な勉強会が必要」「SNSを利用する」などの意見を寄せてくれた。

前田 LINEに選挙の公式アカウントを作って、そこから立候補者の情報一覧が送られてくれば、見ると思う。

関根 海外では、選挙に行かないと罰金という国もある。

田中 義務でなくても投票率が高い国もある。義務化されると「誰でもよいから投票しよう」とならないだろうか。

高橋 「自分に関係のあることで何かが変わる」と感じれば、投票に行くと思う。

田中 10代は、政治を堅苦しくて、自分たちから遠いものと思っている。政治を、共感できて身近なものにしないと。政治を語ることが「格好悪いこと」から「クール」になればいい。