「金融学」が生活に役立つ実学 “生きる知恵”を育てよう 桜美林大学

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株式や為替の相場情報から、振り込め詐欺やマルチ商法の被害まで、毎日のように「お金」に関するニュースが飛び交っている。一方で身近なお金について私たちの知識は十分だろうか。

平田潤先生の専門の「金融学」は、社会におけるお金の回り方や役割について学ぶ学問だ。

「『経済』が人体だとすると、『金融』は人体をくまなく循環して、生きていくために不可欠な酸素を供給する血液。金融学は社会人やビジネスにとって不可欠です」と強調する。

ここ数年は「貯蓄から投資の時代へ」といわれ、株や投資信託といった金融商品が身の回りにあふれている。「こうした商品には必ずリスクとリターンがあります。投資するには、この2つの関係や商品の中身を十分に理解しなければなりません」

リスクとは、「将来の不確実性」のこと。もうけたり損をしたりするかもしれない可能性といえる。一方リターンは、損をする可能性を引き受けた代わりに、手にすることのできるもうけ(収益)のことだ。

ここで平田先生が強調するのは、「ローリスク・ハイリターンを求めると失敗する」ということ。金融商品の大原則は、ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターン(図)。ローリスク・ハイリターンを強調する商品があったら「楽してもうけられる、ウマい話はありえません」と注意を促す。

むしろそうした商品は結果的にハイリスク・ロー(マイナス)リターンのことが多く、とすれば絶対に手を出すべきではない。こうした金融学の基礎知識があるだけでも、株での失敗や、マルチ商法などの被害から身を守ってくれるのだ。

「金融学」と聞くと難しそうなイメージがある。しかし、大学で基本的な考え方と仕組みを理解し、いくつかの専門用語になじむことで、「社会人に必要なレベルを理解することは十分に可能」と平田先生はいう。 ゼロ金利政策やサブプライムローン問題をはじめ、金融に関する情報がメディアにあふれ、経済への影響がますます高まってきている。「こうした状況下で、社会人として必要不可欠な『金融基礎力』がこれまで以上に求められてきています」 平田先生は「金融学は私たちの生活に役立つ実学でもあります。一緒に学びながら“生きる知恵”を育てていきませんか」と呼びかける。

(2012年9月号より)

【経済】

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